2020年の大発会は金価格が上場来高値を大きく更新して始まりました。米国によるイラン革命防衛隊のガーセム・ソレイマニ司令官殺害で、米国とイランが一触即発の状況となったことが大きな原因です。
金日足チャート

有事の際の一般的なパターン
- 安全資産として金・債券が買われる
- リスクオフにより株が売られる
- 現金化の動きが強まり全て(金も含む)が売られる
有事ということで金は大きく買われていますが、金の上昇に比べると株価(ダウ)の下落は限定的となっています。今後の注目としてはリスクオフの動きが本格的に株価に波及してくるかという点ではないでしょうか。
その株価暴落の前兆として多くの投資家が注目している指標の一つにVIX指数があります。VIX(ビックス)はシカゴオプション取引所【CBOE】が公表している指数です。
ボラティリティとありますが、VIXは株価が高騰している時には上がりません。VIXは株価と逆相関の関係にあり株価が下がると上がり、株価が上がると下がります。数値が高いほど投資家は将来の株価に不安を抱いているということになります。
通常時は10~20の範囲内で動き、上げる時は速く下げるのは遅いという特徴があります。
ダウ平均株価(週足)2016~

VIX指数(週足)2016~

過去の有事の高値
1990年8月23日 イラク軍クウェート侵攻…36.47
2001年9月21日 アメリカ同時多発テロ…49.35
2003年3月12日 イラク戦争勃発…34.40
2008年9月18日 リーマン・ブラザーズ破綻…42.16
2008年10月24日 世界金融危機…89.53(1993年以降の最高値)
2018年2月6日 米雇用統計での賃金上昇をきっかけとした長期金利上昇…50.30
過去のVIX指数の動きに比べると今回の動きは非常に緩やかなものとなっています。VIX指数を見る限り、イラン情勢について今のところ投資家はそこまで悲観していないということが読み取れるとおもいます。(1月3日VIX終値:14.02)
VIXは、将来の投資家の恐怖心を示す指数として非常に注目されている指数ですので、今後のVIXの動きには警戒が必要ではないでしょうか。