投資手法には順張りと逆張りがあります。
順張りは相場の方向が「上昇であれば買い、下降であれば売り」の投資方法です。また、逆張りとは「安い時に買い、高い時には売る」という投資方法です。
順張りと逆張りイメージ

日本人は逆張りを好むと言われています。
それは秩序を乱すことを嫌い、普通や平準を好む国民性から来ているそうです。
これまでの価格帯から大きく離れた時は、その状態を嫌い、いずれ元に戻るだろうと考える傾向が強いです。
一方で海外投資家は順張りの傾向が強いと言われています。
どちらが優れているというわけではなく、「レンジ相場の時は逆張り、トレンドが発生したら順張り」これが相場の大原則です。相場の環境によって順張りと逆張りを上手く使い分けることが大切です。
金相場について
金は2011年から続くレンジを上抜けして来たというのが今年のポイントだとおもいます。
金月足チャート
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長期的な視点で見ればレンジをブレイクしてきていますので、売りポジションはかなり不利になります。相場ですから短期的に下がることはあるとはおもいますが、含み損を抱えたままの売り建玉を長期で保有するのは得策ではないのではないでしょうか。
日本人の国民性として「我慢強い」という特徴もありますので、 レンジをブレイク後も含み損のまま我慢してしまう投資家が多いのですが、傷口を広げてしまう可能性の方が高いです。

金日足チャート
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短期的な視点で見ますと8月にレンジをブレイクして以降の高値圏でのレンジ形成中です。5070円~5300円のレンジ内の動きが5か月弱続いています。
長期的な視点で見ると売りは不利ではありますが、短期的な視点で見ればレンジ上限になりますので売りで仕掛けても良い場面ではないでしょうか。
このままレンジを上抜けしてくれば損切りすれば良いので損切りのポイントも明確です。売りに関しては短期的なトレードに限って行うべきだとおもいます。思惑と逆の方向に動いた時には、損切りを躊躇なく行う必要があります。



レンジブレイク後の騙し
テクニカル分析には「騙し」があります。レンジを上抜けしたにも関わらず、再びレンジ内に戻って来るというケースです。この際は値動きが大きくなることが多いので注意が必要です。
騙しで値動きが大きくなる理由
- レンジを上抜けしたことにより、損切りで売建玉の決済(買い注文)と新規の買い注文で一時的に上昇する。(買いの建玉を保有する投資家が増える)
- 上昇が続かずにレンジ内に戻って来る
- レンジブレイクで更に上昇すると考えて買い建玉をした投資家が、思惑が外れたために買建玉の損切り決済(売り注文)をしてくる。レンジ内に戻ったことによる新規の売り注文が多くなる。

レンジブレイク後の騙しはレンジの逆まで一気に動くこともあります。

金のボラティリティが大きくなっていますので、環境をしっかりと認識することが必要ですね。含み損が大きすぎる場合は、冷静に環境を判断することが難しくなりますので、損切りをしてから環境を見つめ直すのも一つの手ではないかとおもいます。