総合取引所とは
国内公設取引所の状況(2019年3月現在)

世界では、株や債券などに加えて原油や金など商品先物も1カ所で取引できる総合取引所が主流なのに対して、日本では金融市場と商品市場は完全に分離しています。JPXが金融庁所管なのに対し、商品取引所は経済産業省と農林水産省が監督しており、経済産業省と農林水産省と縦割り行政がそのまま取引所の縦割りとなっていました。
ただ、世界の商品デリバティブ市場は2004~2017年に約8倍になったのに、日本は逆に出来高が約5分の1に減ったことで、経済規模や金融資本市場の規模に見合った商品市場を形成していくために、総合取引所化が必要だと言われてきました。

世界の主な取引所


総合取引所の創造へ

東京商品取引所を日本取引所グループの完全子会社とすることにより、総合取引所を実現させることになりました。
株式公開買い付け(TOB)終了後の2019年10月に経営統合され、2020年7月に、東京商品取引所から大阪取引所に貴金属市場、ゴム市場及び農産物市場が移管されます。もともと、東京商品取引所と大阪取引所は「J-GATE」という共通の売買システムを使用していることから移管自体はスムーズに進むことが予測されます。
なお、東京商品取引所は「総合エネルギー市場」を目指して、電力先物市場の創設を進めていくことになります。電力自由化が進み、競争激化にさらされる電力会社が、価格変動リスクを回避するために先物市場は不可欠といわれていますが、これまでは東京商品取引所の経営体力不足から上場が延期になっていました。JPXの傘下になることになり経営面の問題が解決されることから、電力先物の試験上場が早期に開始されることとおもわれます。
総合取引所のその先
第一次安倍内閣の経済財政改革の一つとして総合取引所構想が閣議決定されたのが2007年です。総合取引所が実現するまでに12年もかかりました。
今回、大きく前進したことは間違いないですが、総合取引所になったからといって商品デリバティブ市場がすぐに活性化するというものではありません。
現状でも楽天証券など金融市場と商品市場の両方の市場を取り扱っている証券会社はあるわけですが、投資家がその利便性にメリットを強く感じているというわけではなさそうだからです。
目的が総合取引所を作るということだけで終わってしまうと、投資家は大阪取引所の銘柄が少し増えたぐらいの認識で終わってしまう可能性があります。
投資家のニーズにあった総合取引所にするためには、わかりやすい魅力ある上場商品を揃える必要があります。

