証拠金とレバレッジ

商品先物取引を取引するためには、取引の担保として取引証拠金(とりひきしょうこきん)が必要です。取引証拠金は毎月各銘柄ごとに定められています。

この金額は、取引を行う商品の総額に対して5~10%程度になるために、仮に300万円の商品の先物を取引する場合、30万円程度の資金で取引ができることになります。

レバレッジ

小さな金額を預けて大きな金額を動かす原理を小さな力で大きなものを動かすてこ(レバレッジ)に例えてレバレッジ取引と呼びます。

金1g=6,500円の時に1,000gの取引をする場合、通常取引なら6,500,000円の資金が必要ですが、商品先物取引では、246,000円の取引証拠金で取引することができます。【2020年11月現在】

246,000円で25倍以上の金を取引していることになるのね
その25倍のことをレバレッジって言うんだ。高レバレッジはハイリスクハイリターンだから慎重に取引する必要があるね
証拠金とレバレッジ(2021年1月現在)
銘柄証拠金レバレッジ
金(標準)240,000円25
金(限日)

26,400

25
白金(標準)138,000円10
白金(限日)

30,000円

10
パラジウム

547,500円

108,000円10
原油

249,500円

ガソリン323,500円
灯油273,500円
ゴムRSS97,500円10
とうもろこし54,500円

25

他の金融商品のレバレッジ

株の信用取引は最大約3.3倍、日経225先物は最大約12、FXは最大25倍、国内では仮想通貨は最大4倍となります。

金融商品によって値動きの幅(ボラティリティ)が違いますので、レバレッジの大小だけで比較することは難しいですが、商品先物取引の最大約25倍というレバレッジはかなり高めの数字であると言えます。

証拠金について
レバレッジが高いということは、商品先物取引って儲かる時は大きいけど損する時も大きいってことだよね
レバレッジについて
そうだね。だから最初のうちは資金に十分に余裕を持たせて取引したいね。そうすれば低レバレッジで取引していることになるからね。
不足金について

商品先物取引では必要証拠金以上の金額を担保として商品取引業者に常に預けておく必要があります。

しかし、相場変動により含み損が発生した場合、この担保金が足りなくなり不足金が発生することがあります。証拠金維持率が100%を割った状態というのは担保不足ということになります。

不足金発生のイメージ

不足金イメージ

日中取引が終了して不足金発生が確定した場合は、翌営業日の商品先物取引業者が指定する時間までに不足金額以上の入金をする必要があります。

証拠金不足
証拠金維持率が100%を下回ると不足金が発生するわよ!

金(標準品)10枚の例

金標準先物の証拠金が、264,000円の時に10枚買い建玉をすると、必要証拠金は2,640,000円となります。(2020年11月 現在)

現金4,000,000円を入金して取引を開始した場合は、余剰金は1,360,000円です。金が136円以上下がると余剰金がなくなり不足金が発生することになります。

仮に200円下がった場合は、資金は2,000,000円となり必要証拠金2,640,000円に対して640,000円の不足金が発生することになります。

金標準先物を10枚建玉した場合

不足金計算例
商品先物取引のしくみ
相場が自分の予想した方向と逆に動いた場合は、損切りをすることも必要だよ
商品先物取引のしくみ
証拠金制度や不足金の対応については会社によって多少の違いがあるので、自分の取引している会社の制度をよく確認してくださいね
SPAN(スパン)証拠金制度

SPAN証拠金制度は、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所が開発した証拠金の計算方法で世界各地の主要取引所で広く採用されています。

日本でも2011年よりSPAN証拠金制度が採用されています。

SPAN証拠金制度は、保有する建玉(ポートフォリオ)全体で相殺可能なリスクに対する証拠金を減殺することができるのが特徴です。

相殺可能なリスク

  1. 同一商品の同一限月内の「売り」と「買い」
  2. 同一商品の異なる限月間の「売り」と「買い」
  3. 価格変動に相関性のある商品間の「売り」と「買い」

同一限月における「売り」と「買い」だけでなく同様に、同一商品の異なる限月間での建玉や、原油とガソリンなど価格変動に相関のある商品のリスクは相殺できます。この結果、ポートフォリオ全体のリスクが軽減される場合には、証拠金額が減額されます。

商品先物取引のSPAN証拠金制度
会社によってネットの4枚分の証拠金だけで良い会社と多い枚数の方の11枚分の証拠金が必要な会社があるよ
証拠金額の決まり方

SPAN証拠金の額を決めるのはJSCC(株式会社 日本証券クリアリング機構)です。
JSCCが過去の価格変動を基準に証拠金額計算の基礎となるSPANパラメーターを決定します。

商品先物取引業者は、SPANにより算出された最低限必要な証拠金額以上の範囲で、各社のルールに基づき預託を必要とする額を「委託者証拠金額」として定めます。委託者はその額を商品先物取引業者に預託することが求めらます。

商品先物取引業者は、ほぼすべての会社がJSCCの定めた「最低限必要な証拠金額」「委託者証拠金額」として設定しているので各社の証拠金は横並びの状態になっています。

SPANパラメーターは、毎週最終営業日18時頃に翌週分のSPANパラメーターが公表され、翌週第1営業日の日中取引から週末まで適用されます。SPANパラメーターはJCSSのサイトで確認することができます。

また、市場の状況が急変した場合等でJSCCが特に必要と認めるときは、臨時にSPANパラメータの見直しを行い、SPANパラメータの全部又は一部が変更されますので注意が必要です。

証拠金額はJSCCにより決定され、週に1回変更されます。
 

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当サイトおよび商品先物取引の注意事項

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