注文の出し方と計算方法

注文のルール

商品先物取引は取引所での取引となります。投資家の出した注文は商品取引業者を通じて商品取引所へと送られます。その注文は価格優先・時間優先の原則に従い、競争売買によって取引が成立します。その際、まず価格優先の原則を適用し、同じ値段が2個以上ある時は時間優先の原則に従います。

・価格優先の原則 
価格を指定した買い注文では、高い値段が低い値段に優先し、売り注文では、低い値段が高い値段に優先する。

価格優先

・時間優先の原則
同一銘柄、同一値段の注文は時間が先のものから順番に売買を成立させる。

時間優先
相手に取って有利(得)な価格の注文が優先され、同じ価格であれば先に出された注文が優先されます。
具体的な注文方法

指値注文(さしね)

値段を指定して発注する注文です。買いの場合には指値以下で、売りの場合は指値以上で成立します。指値の条件を満たさない限り取引が成立することはありません。発注する際には注文をいつまで出し続けるかという有効期限を決める必要があります。

商品デリバティブ取引の指値注文
指値注文は値段を指定して出す注文

成行注文(なりゆき)

値段を指定せずに発注する注文です。いくらでも良いから買いたい(売りたい)といった注文方法です。

・買い注文を発注した場合は、取引所に出ている最も低い価格の売り指値注文と取引が成立します。
・売り注文を発注した場合は、取引所に出ている最も高い価格の買い指値注文と取引が成立します。

商品デリバティブ取引の成行注文
成行注文は今の価格ですぐに成立する注文

逆指値注文(ぎゃくさしね)

逆指値とは、指値注文とは逆で指定した価格より値段が高くなったら「買い」、安くなったら「売り」の注文が発注される注文方法です。

 指値注文逆指値注文
値段上昇売り買い
値段下落買い売り

逆指値イメージ

逆指値注文

逆指値をうまく使えば損失の拡大を回避することができます。

例 買い建玉を持っている場合

逆指値利用方法

決済注文を逆指値注文で発注しておけば、損失を限定することができます。

相場師
逆指値注文は慣れるまでややこしいですが、リスク管理には非常に重要ですのでしっかり使えるようになってくださいね。
板画面の見方
商品先物取引の板画面見方

この板画面から、100円での売り注文が5枚、101円での売り注文が20枚出ていて、一方、99円での買い注文が10枚、98円での買い注文が20枚出ていることがわかります。

ここで買いの成行注文を出すと最も低い価格の売り指値注文である100円と取引が成立します。また、売りの成行注文を出すと最も高い価格の買い指値注文である99円と取引が成立します。

商品先物取引の板画面見方②

買いの指値注文99円を1枚出すと取引所に出ている99円の買いの指値注文の枚数が10枚から11枚に変わります。先に出ていた10枚が成立した後に、自分が出した11枚目の買い指値注文が成立します。
売りの指値注文102円を3枚出すと取引所に出ている102円の売り指値注文の枚数が10枚から13枚に変わります。先に出ていた10枚が成立した後に、自分が出した11~13枚目の売り指値注文が成立します。

板情報
板画面はオンライントレードであれば取引ツールから見られるはずなので、しっかり確認してくださいね。
東京金を買い建玉した場合の計算例
買い値上がり計算例
買い値下がり計算例

東京金を売り建玉した場合の計算例
売り値下がり計算例
売り値上がり計算例
商品先物取引のしくみ
対面取引とオンライントレードで手数料は大きく変わってくるわよ。対面取引だと金先物取引の往復手数料が2万円前後必要な会社もあるわ
商品先物取引のしくみ
手数料を考えるオンライントレードで取引した方がいいだろうね。だいたいどこの会社でも往復手数料1,000円未満で取引できるしね。
サーキットブレーカー制度

取引所には、値動きが一定の幅以上になったら取引を強制的に止める制度があります。何らかの要因で取引が過熱して行き過ぎた値動きになることを抑制するためです。

電流が流れ過ぎた時に、発熱などを食い止める電源を落とす電気回路の遮断器(サーキットブレーカー)と似ている制度であるためにサーキットブレーカー制度と呼ばれています。

静的サーキットブレーカー(SCB)
前営業日の帳入値段を起点にして、上限値段と下限値段を決定します。SCB幅を超えての指値注文を発注することはできません。またSCB幅を超えた発注済みの指値注文は取り消しされます。株式の値幅制限と同じだと考えて良いです。

金標準先物のサーキットブレーカー幅

商品先物(貴金属市場)に係る呼値の制限値幅の拡大については、第一次制限値幅、第二次制限値幅まで拡大していきます。10分間の中断時間経過後、制限値幅を拡大のうえ、板寄せ方式により取引を再開します。
商品先物(ゴム市場及び農産物市場)については、制限値幅の拡大は行われません。

銘柄通常時第一次拡大時第二次拡大時
金標準先物400円600円800円
金ミニ先物
金限日先物
銀先物10円20円30円
白金標準先物400円600円800円
白金ミニ先物
白金限日先物
パラジウム先物1,000円1,500円2,000円
ゴム(RSS3)先物20円原則、拡大なし原則、拡大なし
ゴム(TSR20)先物
一般大豆先物4,800円原則、拡大なし則、拡大なし
小豆先物700円
とうもろこし先物1,500円

商品デリバティブサーキットブレーカー制度の詳細はこちらをご覧ください。

動的サーキットブレーカー(DCB)
ザラバ中の直近約定値段を起点に即時約定可能値幅が決められています。即時約定可能値幅外で注文が対当した場合には30秒間立会が一時中断(DCB)されます。一時中断後、板合わせから取引が開始されます。

商品先物DCB
主な銘柄のDCB幅
40円
白金40円
原油1,000円
ガソリン1,000円
灯油1,000円
ゴム5円

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当サイトおよび商品先物取引の注意事項

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