空売り(からうり)とは
商品先物取引は、「買い」だけでなく、「売り」からでも取引をスタートできます。
「買ってから値上がりした時点で売ると利益」だけではなく、「売ってから値下がりした時点で買うと利益」となり、どちらでスタートしても構いません。
「将来、値上がりするのでは?」と思えば買いでスタートして、「将来、値下がりするのでは?」と思えば売りでスタートすることができます。
相場の下落局面でも、利益を狙うことができるのが商品先物取引の特徴です。
2つ投資方法
.jpg)
買いからスタートした場合は売却して取引を終了。売りからスタートした場合は買い戻しして取引を終了します。
※FXのように売りに対してスワップ金利が発生しません。ただし、買いについてもスワップ金利が発生しないので注意が必要です。


なぜ売りから入れるのか?
先物取引の売りは「将来」に商品を渡す約束をする取引ですから、現時点で対象物を保有している必要はありません。目論見どおり価格が下がれば、 買い戻しして利益を確定すれば良いのです。これを「空売り(からうり)」といいます。
例えば、原油先物で来年の4月受け渡しの物が1バレル60ドルで取引されているとしましょう。ここから原油価格が下がると思っている人は、この取引に売りから入ります。 売りっぱなしで放っておくと、来年の4月になったら実際に原油を確保しなければなりませんが、買い戻しでこの取引を終わらせれば、原油を確保する必要はありません。
仮に予想どおりに原油価格が1バレル40ドルに下がり、この価格で原油先物を買い戻しできれば1バレル20ドルの儲けとなります。
また、このように「買い」の取引を「売る(転売)」、「売り」の取引を「買う(買い戻し)」により、買った時または売った時の価格と現在の価格との差額を清算して取引を終了することを 「差金決済(さきんけっさい)」と呼びます。

将来、原油の価格が下がりそうな時
空売りのイメージ

「期限(納会日)が来たら原油を売ります」という約束をする
将来に売るという約束をするだけなので、現段階で原油を保有している必要はない。


「将来に売る」という約束が買い戻すことによってなかったことになる。
売った値段と買い戻した値段の差額が利益となります。

両建てとは
両建てとは「買い」と「売り」のポジションを同時に持つことです。
どちらか一方がプラスの時は、もう片方がマイナス。一方がマイナスの時は、もう片方がプラスになるため相場がどちらに動いても損益は発生しません。

値段が上がれば買い建玉に含み益が発生しますが、売り建玉には同額の含み損が発生します。また、値段が下がった場合は買い建玉に含み損が発生しますが、売り建玉には同額の含み益が発生します。その結果、どのような値動きがあろうとも利益も損失も発生しないことになります。
両建ては相場の見通しがわからない時に利用されるのが一般的です。両建は相場の予想がはずれて迷っているときに、一時的に避難するために行う行為です。とりあえず両建にして、相場の見極めがついたら片方をはずして残ったほうで勝負するわけです。
損切りしたくないから一時的に避難したいという投資家の心理はよくわかるのですが、両建ては建玉したポイントで損切りしたことと実質的には同じです。しかも、手数料などのコストは余分に必要となります。できることなら両建てせずに損切りしてしまった方が良いです。

