移動平均線と移動平均線を使ったテクニカル分析で最もメジャーなうちの一つであるグランビルの法則についてご紹介します。
移動平均線(MA)
移動平均線とは任意の期間の終値の平均を算出し、それをローソク足チャートに表示させたものです。5日移動平均線は5日間の終値の合計を5で割った平均値、25日移動平均線は25日間の終値の合計を25で割った平均値を算出したものになります。
移動平均線は、日々の動きを平滑化することによりトレンドを把握しやすくしたもので、右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下落トレンドとなります。
金日足チャート


25日移動平均線

値動きを平均化することにより相場の方向性をわかりやすくすることができます。

移動平均線の種類
単純移動平均線(SMA)、加重移動平均線(WMA)、指数平滑移動平均線(EMA)などの種類があります。
単純移動平均線 (SMA) | 一定期間の終値を単純に平均したもので、移動平均線といえば通常はSMAを指します。 |
加重移動平均線 (WMA) | 直近の価格をもっとも重視し、古い価格ほど影響度が少なくなるように比重をかけて計算します。 |
指数平滑移動平均線 (EMA) | さらに直近の価格に比重を高く置きます。値動きの変化に最も敏感に反応します。 |
移動平均線のパラメータ
移動平均線の期間のことをパラメータと呼びます。
チャートソフトの多くは移動平均線の期間を自由に設定できるようになっています。
時間足 | 20時間・50時間・100時間・200時間 |
日足 | 5日・10日・25日・75日・200日 |
週足 | 9週・13週・26週・50週 |
上記のパラメータがよく利用されていますが正解はないので、自分のスタイルに合わせて使い分けてください。
2本の移動平均線を使った分析

短期線が中・長期線を下から上へ突き抜けると、本格的に上昇トレンドに転じたことを示すサインです。この現象を「ゴールデンクロス」といいます。
短期線が中・長期線を上から下へ突き抜けると、本格的に下降トレンドに転じたことを示すサインです。この現象を「デッドクロス」といいます。
ゴールデンクロスの例(金日足チャート)

こちらは金日足チャートにおけるゴールデンクロスの具体例です。25日移動平均線(短期線)が75日移動平均線(中期線)を下から上に突き抜けています。このようなゴールデンクロスは買いのサインとなります。
グランビルの法則
グランビルの法則とは、ジョセフ・グランビルというアナリストが編み出した投資手法です。ろうそく足と移動平均線との関係から4種類の「買いシグナル」と4種類の「売りシグナル」からなり、移動平均線の代表的な見方として利用されています。
グランビルの法則の8つのチャートパターン

8つの売買サイン








「グランビルの法則」と大層な名前がついていますが、相場を長いことやっていれば誰だって気付くような簡単なことです。しかし、シンプルだからこそ奥が深く、応用が利くのではないかとおもいます。
金日足と25日移動平均線(グランビルの法則の例)

移動平均線の使い方
金・四時間足チャート

75MAにタッチするポイントで押し目買いという判断ができるとおもいます。ただテクニカル分析ですから「騙し」もあります。テクニカル指標には、得意な状況、苦手な状況がありますので、マーケットの状況を見極めて利用するようにしてください。
