ナンピン買い(難平)とは
ナンピン買い(難平)とは、買い建玉した後に価格が下落した場合、下がったところで買い増しすることです。そうすることで建玉の平均取得価格が下がるので、最初の建玉の水準まで価格が戻らなくても損失を出さずに決済することができます。

2枚の建玉の平均取得価格は4,750円となりますので、4,750円まで戻れば含み損は解消します。
1枚目の4,800円の買い建玉は4,750円まで戻っても50円の含み損ですが、4,700円の買い建玉は50円の含み益となりますので、2枚の合計の損益はプラマイゼロになるというわけです。

ナンピンのリスク
ナンピンは有効な売買手法でありますが、同時に非常にリスクの高い手法でもあります。特にレバレッジの効いている先物取引で行う場合には細心の注意が必要です。
ナンピンの失敗例(金 標準品の場合)

1枚4,800円の買い建玉だけであれば4,600円まで価格が下がったとしても含み損は20万円ですが、ナンピンを50円ごとに繰り返すと4,600円まで下がった時には含み損は50万円になります。
金 建玉 | 含み損 |
1枚目 4,800円 | 20万円 |
2枚目 4,750円 | 15万円 |
3枚目 4,700円 | 10万円 |
4枚目 4,650円 | 5万円 |
合計 | 50万円 |
ナンピンを繰り返すと建玉の枚数がドンドン増えていきます。建玉を増やすということは、下がった時に含み損が増えるスピードが速くなるということです。ナンピンを多用すれば勝率は上がるとおもいますが、負けた時の損失が大きくなります。
資金がなくなって退場するのは、〇〇ショックというような一度の値動きよりも、ナンピンを繰り返して含み損が大きくなりすぎて退場というケースが多いです。ナンピンにより含み損が大きくなるとそれを挽回しようとして、更にナンピンを繰り返し余計に含み損を大きくしてしまうという負のスパイラルに陥ることがあります。ナンピンの怖さは、99勝1敗でも1敗の損失が取り返しのつかない致命傷になる可能性があるということです。
ロスカットへ繋がる負のスパイラル

最初の建玉から3回も4回もナンピンするというのは、最初に建玉した時の予測が間違っていたということです。3回も4回もナンピンしないといけない状況になってしまった時は、間違っていたということですから諦めて損切りしてしまいましょう。


ナンピンをお勧めできない理由
- 商品先物取引には期限がある
株式投資であればナンピンで購入平均単価を下げて値段が回復するまで待ち続けることが可能ですが、商品先物取引には納会という期限がありますので株式投資のように塩漬けして待ち続けるということができません。 - レバレッジ取引である
商品先物取引はレバレッジをかけて取引しているので、値段が回復するまでに証拠金不足となり建玉を維持することができなくなる可能性があります。
株式投資と同じような感覚でナンピン(&塩漬け)をしてしまうと失敗するケースが多いです。
