さや取引について
商品先物取引の売買手法の中にはさや取引と呼ばれるものがあります。さや取引とは動きがよく似通った2つの銘柄の高い方を売り安い方を買う取引です。(価格差が大きくなると予測する場合は高い方を買い安い方を売ることになります。)
サヤ取引イメージ

商品先物取引には「限月間スプレッド取引」(カレンダースプレッド)と「商品間スプレッド」があります。
「限月間スプレッド」は同一銘柄の異なる限月のさやを狙う取引で、「商品間スプレッド」は同一限月の異なる銘柄のさやを狙う取引です。商品間スプレッドは、原油とガソリン、原油と灯油など動きがよく似た銘柄間で有効な取引です。

クラック・スプレッド取引の具体例

8月9日にガソリンと原油の価格差(クラック・スプレッド)が拡大すると予測した場合の取引例です。
サヤが拡大すると予測する場合には、高い方を買い、安い方を売ることになります。
8月9日
ガソリン 買い 46,130円
原油 売り 35,460円
価格差 10,670円
4か月後に予想通りにサヤが拡大した。
12月9日
ガソリン 決済 57,190円 +11,060円
原油 決済 43,230円 -7,770円
価格差 13,960円 +3,290円
1枚あたりの損益
ガソリン +553,000円
原油 -388,500円
計 +164,500円
予想どおりにサヤが拡大したために、原油の取引についてはマイナスとなりますが、ガソリンがそれ以上のプラスとなりトータルではプラスとなります。
※手数料は2枚分必要となりますので取引に係るコストは高くなります。
金と白金のサヤについて
これは金と白金のさやチャートですが、2008年には白金の方が金に比べて3772円も高かったわけですが、現在は白金の方が1800円近く安い状態にあります。
金・白金サヤチャート(月足)

過去に金と白金が同じような動きをしていたために、金と白金のさやを狙われる方がいらっしゃいますが、さや月足チャートを見てわかるように、もはや二つの銘柄は動きがよく似た銘柄ではありません。金と白金のさやを安易に狙うのは危険ではないでしょうか。
金・白金サヤチャート(週足)

今週は、金高・白金安の動きのために再び金高・白金安のさやが過去最大に近づきつつあります。このまま前回の記録(1859円)を抜くのか注目ですね
